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あとがき
金谷 文則
pp.690
発行日 2016年7月25日
Published Date 2016/7/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408200592
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この原稿を書いている5月28日は,オバマ大統領の広島原爆ドーム訪問が実現し,戦後の大きな節目になりました.同日の羽田空港での大韓航空の火災により,沖縄で予定の2講演が演者不在のため中止になりました.台風以外で講演会が中止になるのは初めてで,大事故にならなかったのは幸いでした.
本号の誌上シンポジウム「脊椎腫瘍 最近の話題」は土屋弘行先生の素晴らしい企画です.原発性および転移性骨腫瘍による骨関連事象は患者のQOLを大きく低下させます.近年の破骨細胞を阻害するビスホスホネート剤をはじめとする骨修飾薬や抗RANKLモノクローナル抗体(デノスマブ)の開発により,切除困難な原発骨腫瘍や転移性骨腫瘍に対する治療とその成績が大きく改善しました.原発性骨腫瘍の中でも,切除不能な骨巨細胞腫に対してデノスマブによる腫瘍縮小効果とダウンステージングによる低侵襲手術の可能性が報告されています.脊索腫に対する重粒子線治療,動脈瘤性骨囊腫に対するデノスマブの有効性およびscleroplasty,sacroplastyなどの低侵襲手術は有望な手術と考えます.
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