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ウガンダは東西の大地溝帯(great rift valley)の狭間にあり,数百万年前の太古の火山火口であったビクトリア湖の高地から,スーダン平原になだらかに下降する湿地帯(Ugandan plateau)に位置している.ウガンダとケニアを分ける東部大地溝帯はソマリア・プレートの上にあるが,コンゴを隔てる西部大地溝帯は,それとは別のヌビア・プレートの上にある.大陸移動によりこの2つのプレートは,ちょうどウガンダ平原からビクトリア湖,タンガニーカ湖およびマラウイ湖に沿って年に何cm程度か西と東に離れていっているという.数万年後には紅海のような海がウガンダの国内に生じるのだそうである.ペルシア湾,紅海,それに“ウガンダ海(?)あるいはビクトリア海(?)”ができるのか…….ウガンダ北部はサバンナ気候ではあるが,南部は熱帯雨林の様相を呈し,水資源が豊富で農林業も発達している.近年は西部のアルバート湖付近で大油田が発見され,ジンジャの大規模水力発電と併せて鉱工業の発展も著しい.
東部大地溝帯の麓,ケニアとの国境にあるムバーレ県は人口約50万人で,その県都ムバーレ(Mbare・人口は約9万人)はウガンダ東部の要衝で,トロロの大水田地帯を北上し,エルゴン山国立公園の裾野に位置する小さな町だ.巡礼の聖地であるエルゴン山は標高4,900mで,東部大地溝帯にありケニアとの国境をなしている.この地に住む人びとは,本来は遊牧民であるエチオピア系のエルゲヨ族が多く,他にマサイ族やスーダン系ルオ族が住んでおり,そのうちマサイ族ははるかタンザニア南部にまで居住地を拡散させた.地元のエルゲヨ族の言葉はカンパラのガンダ族には通じにくいという.首都カンパラのガンダ族は,都会の主要部族とはいえ,全人口の約20%しかいないのだ.ウガンダは正式に登録されているだけで52部族もある国家である.実はこのことが19世紀以来,度々起こっている部族紛争(戦争・内戦)の原因の一部にもなっている.戦いの原因は牛や羊の盗難,農耕地や牧草地の奪い合いや水資源などである.エルゴン山系はインド洋からの湿った大気が大量の雨をもたらす.西のルウェンゾリ山系とともに,この地は進化生物学では極めて熱い注目を浴びている土地でもある.
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