特集 感染症を病歴と診察だけで診断する!Part 2
【System 2─理詰めで追い詰める感染症編❷】
流行地でのthe great imitator
羽田野 義郎
1
1マヒドン大学 熱帯医学部
キーワード:
メリオイドーシス
,
Burkholderia pseudomallei
,
東南アジア
Keyword:
メリオイドーシス
,
Burkholderia pseudomallei
,
東南アジア
pp.937-940
発行日 2015年10月15日
Published Date 2015/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1429200363
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Case
タイ渡航歴のある60代男性
患者:60代,男性.
既往歴:高血圧と糖尿病で外来フォロー中.
現病歴:入院1カ月前から,旅行でタイ東北部に2週間滞在.帰国3日後に発熱と悪寒戦慄,咳嗽を認め救急外来を受診.胸部X線で右中〜下肺野に浸潤影を,またグラム染色でグラム陰性桿菌を認めた.海外での医療曝露歴はなく,「市中肺炎」と診断しセフトリアキソンで治療を開始した.
しかし,症状は軽快せず,喀痰培養および血液培養からはBurkholderia pseudomalleiが検出された.「メリオイドーシス」の診断としてセフタジジムに変更し治療したが,入院後,左側腹部痛・右膝関節痛が出現.腹部エコーと関節穿刺の結果,「脾膿瘍」「右膝化膿性関節炎」と診断された.
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