視座
行き過ぎた英語教育
河野 博隆
1
Hirotaka KAWANO
1
1帝京大学医学部整形外科学講座
pp.215
発行日 2016年3月25日
Published Date 2016/3/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408200478
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小学校低学年から英語教育が必修化される.国際化に向けた英語重視の傾向が強まり,医師のカンファランスも英語教育の一環として英語で行われることが増えている.
国際化が進んだ今日,日本人の外国語による表現力やコミュニケーション力が劣るために,十分な内容があるにもかかわらず正当な評価を受けることができず,国際間の競争で不利になることがあるのは事実である.とはいえ,全国民が表層的な挨拶や日常会話ができるようになることよりも,もっと重要なことがあるのではないだろうか.外国語の表現力やコミュニケーション能力を磨くことに意義があることは議論の余地がない.しかし,語るべき中身や母国語の表現力を磨く以前に,道具としての英語を身につけることに忙殺されるのは,まさに本末転倒と感じる.
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