誌上シンポジウム 骨軟部腫瘍における画像評価最前線
緒言
土屋 弘行
1
1金沢大学大学院医薬保健学総合研究科・医薬保健学域医学類機能再建学(整形外科学)
pp.204
発行日 2015年3月25日
Published Date 2015/3/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408200138
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骨軟部腫瘍を専門としない多くの整形外科医にとって,骨軟部腫瘍の画像診断は最も苦手とする領域の1つかも知れない.画像所見には目を通さず,放射線科医のレポートしか読まない(読めない)整形外科医も多く,骨軟部腫瘍患者を診察した瞬間に,専門施設へすぐに紹介してしまう医師も多い.無論,悪性腫瘍の場合には,迅速な紹介が大切であることに間違いはないのだが,その前に一歩立ち止まり,骨軟部腫瘍を専門とする医師がどのような目的のために,どのような画像検査を施行するのかを理解しておくことは,適切な患者紹介を行うためにも重要である.
今回の特集では,骨軟部腫瘍における診断と治療の第一線で,今まさにご活躍されている先生方に,各画像検査法の特徴や最新の知見につきご解説をお願いした.金沢大学の山本憲男先生には,「骨軟部腫瘍における画像診断—総論」として,複数の画像検査を行うことの重要性や,新たな評価法としての総合画像評価法につき解説いただいた.兵庫医科大学の麩谷博之先生には,「軟部腫瘍の診断における超音波検査の活用」と題して,特にスクリーニングや組織診断のための有用性について解説いただいた.骨軟部腫瘍画像検査のgold standardであるX線,CT,MRIについては,岩手医科大学の中山学先生に「骨軟部腫瘍の画像診断におけるX線撮影とCTの意義」を,杏林大学の本谷啓太先生に「MRI」について,それぞれ解説いただいた.
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