誌上シンポジウム 創外固定の将来展望
緒言
土屋 弘行
1
1金沢大学大学院医薬保健学総合研究科・医薬保健学域医学類機能再建学(整形外科学)講座
pp.214
発行日 2013年3月25日
Published Date 2013/3/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408102629
- フリーアクセス
- 文献概要
- 1ページ目
今や創外固定は,整形外科の諸問題を解決する大変有用な方法として認知されるようになりました.Ilizarov創外固定器の導入や単支柱型創外固定器の進歩により,低侵襲的骨接合術や脚延長術はもちろんのこと,これまで治療に難渋してきた高度の粉砕骨折や変形,感染性偽関節,骨髄炎,腫瘍切除後の骨欠損,関節拘縮などの治療が可能となりました.最近では,リング型創外固定器の発展型であるTaylor spatial frame(TSF)が出現し,より治療が行いやすくなっています.
また,これまで創外固定を実践応用してきた経験の中で,種々の問題点や課題を見出し,さらに創外固定を用いた治療を進化させるいくつかの方法が試みられています.この誌上シンポジウムでは,既に臨床的にも応用され読者諸氏にすぐにでも役立つあるいは近々応用可能になるものの特集を組みました.延長仮骨の成熟促進を目的とした培養骨髄細胞移植,創外固定装着期間の短縮を目指したプレートへのコンバージョン手術,TSFの矯正精度を向上させる方法,一番出遅れていた足の外科への応用,CT/有限要素解析を用いた延長仮骨の経時的骨強度予測と,いずれも大変興味深い領域の論文です.これらの論文をお読みいただければ,医学が日々進歩していることを実感していただけると思います.
Copyright © 2013, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.