最新基礎科学/知っておきたい
ヨードコーティング・インプラント
白井 寿治
1,2
,
西田 英司
2
,
土屋 弘行
2
1京都府立医科大学大学院医学研究科運動器機能再生外科学(整形外科)
2金沢大学大学院医学研究科機能再建学
pp.522-526
発行日 2014年6月25日
Published Date 2014/6/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408103068
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■はじめに
インプラント手術における術後感染は,最も深刻な合併症の一つである.2009年の本邦の疫学調査では,人工関節置換術後感染率は1.36%,脊椎インストゥルメンテーション術後の感染率は3.37%と報告されている4).高齢化社会となるにつれ,インプラントを使用した手術は年々増加傾向にあることから,術後感染も今後増加することが予想される.一度感染を生じると,治療に難渋するため,感染の予防が大切である.無菌的な操作を行い,全身的な抗菌薬の投与を行っても,局所的な効果がなかなか得られにくい.局所有効性を高めるため,インプラントに抗菌作用を持たせる研究が数多く報告されているが,筆者らは次世代を担う抗菌インプラントとしてヨードコーティングの研究を行ってきた14).
本稿では,ヨードコーティングについて概説し,ヨードコーティング・インプラントの基礎的研究結果と臨床成績について述べる.
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