特集 整形外科周術期感染の予防と対策
抗菌インプラント(銀コーティングインプラント)による感染予防
河野 俊介
1
,
馬渡 正明
1佐賀大学 医学部整形外科
キーワード:
Durapatite
,
臨床試験
,
ドラッグモニタリング
,
補綴関連感染症
,
人工関節
,
股関節置換術
,
Disilver Oxide
Keyword:
Clinical Trials as Topic
,
Joint Prosthesis
,
Prosthesis-Related Infections
,
Drug Monitoring
,
Durapatite
,
Arthroplasty, Replacement, Hip
,
Disilver Oxide
pp.390-396
発行日 2018年4月19日
Published Date 2018/4/19
DOI https://doi.org/10.18885/J00282.2018191107
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人工関節術後感染は複数回の手術加療を要することもある重篤な合併症であり、抗菌人工関節の開発が行われている。無機系抗菌剤である銀(Ag)はすでにさまざまな医療系材料にcoatingされ、強い抗菌性と広い抗菌スペクトルをもち、耐性菌が発生しにくく比較的毒性も低いため、筆者らは抗菌性と骨固定性能の両立を目指し、ハイドロキシアパタイト(HA)coatingセメントレス人工股関節にAgを担持させた。Ag-HA被膜はin vitro、in vivoの評価、臨床治験にて有効な抗菌性能と良好な骨固定性能、安全性を有することが確認された。Ag-HA coatingセメントレス抗菌人工股関節は、生体内で安全に使用することができ、抗菌性能および骨固定性能を合わせ持った画期的なインプラントで、すでに臨床使用が開始されており、術後感染予防に寄与することが期待される。
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