連載 特別講義 整形外科の歴史・4
「先天性」股関節脱臼の治療史―CDHからDDHへ
小野 啓郎
1
1大阪大学
pp.792-795
発行日 2013年8月25日
Published Date 2013/8/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408102794
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CDHの新生児検診:「dislocated」hipに対する「dislocatable」hip
整形外科医が新生児を診察する機会は,筋性斜頚や先天性内反足を除けば稀であった.一方,小児科医はこうした変形・奇形を目にしなければ他科へ紹介することもなかった.医学の各専門分野は連携のないままで(互いに隔絶した状態のままで)20世紀も終わろうとしていた.脱臼した股関節は整形外科の病気(障害)であるが,dislocatable hipという診断名(?)が下されれば,それは小児科の病気であるという考え方である.
股関節脱臼の早期診断・早期治療を目指して,たとえば整形外科と小児科といった専門横断的グループ検診が軌道に乗るのは,日本では20世紀の末であった.
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