連載 整形外科最前線 あなたならどうする?・9
整形外科最前線 あなたならどうする?
渡邊 孝治
1
,
土屋 弘行
1
1金沢大学附属病院整形外科
pp.885-888
発行日 2012年9月25日
Published Date 2012/9/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408102454
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
症例
患者:73歳,男性
主訴:右膝からの排膿
既往歴:C型肝炎,前立腺肥大症
現病歴:11歳時に右下肢の開放骨折を受傷し,多数回の手術を受けた.28歳時に変形治癒に対して矯正骨切り術,41歳時に脛骨近位部の骨部分切除と植皮術を受けた.右下肢は成長障害により短縮し足関節は脚長差による尖足拘縮を認め,膝関節は大腿骨遠位・脛骨近位の骨端の変形と変形性関節症のため,可動域は伸展-25°,屈曲50°程度であった.2010年4月,近くの病院の整形外科で膝の関節水腫に対し穿刺を受け,穿刺部の皮膚が潰瘍化し形成外科に紹介となった.形成外科で保存的に加療を行ったが潰瘍は治癒せず,6月に大腿部よりの皮弁形成術を施行した.術後に皮弁が壊死し排膿を認め,培養でMRSAが検出された.7月,潰瘍部のデブリドマン・持続洗浄を行った(図1)が,感染の鎮静化を得られず,排膿を持続し11月に紹介され受診した.
Copyright © 2012, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.