連載 工学からみた整形外科・4
情報工学からみた整形外科
畑 豊
1
1兵庫県立大学大学院工学研究科
pp.408-411
発行日 2011年5月25日
Published Date 2011/5/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408101981
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■はじめに
近年の医療用診断装置の発展はめざましく,X線MDCTでの高精細画像をはじめとして,オープンMRIを用いた患部画像観察下での手術,内視鏡手術でのナビゲーション技術,ダヴィンチやゼウスによるロボット手術,これらはすべて高度なエンジニアリング技術により実現された成果である.現在,多くの工学者が工学分野の1つとしての医用健康装置開発およびそのデータ処理に関心を示している.今後,クラウドコンピューティングのさらなる高性能化に伴って遠隔ロボット支援手術や遠隔医療画像診断が進歩すれば,場所を選ばず適切な診断・治療が可能となる.この分野の進展には情報工学が中心的役割を果たす.特に,整形外科分野は実際の手術前,中,後に多くの定量的なデータ解析と高度なナビゲーション技術を必要としているため,クラウドコンピューティングとの親和性は極めて高い.ここでは,われわれが行ってきた医療データ処理に関する研究を紹介する.これらのすべてはクラウドコンピューティング技術で実現でき,これによって術者はデータを転送するだけで必要とする情報を瞬時に取得できる.
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