境界領域/知っておきたい
整形外科からみた『枕』
奥山 隆保
1
1さつきが丘医院
pp.620-624
発行日 2011年7月25日
Published Date 2011/7/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408102038
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はじめに
働く女性が増えた1986年頃,当院の外来を受診する患者の中に,首の異常を訴える40代女性が目立つようになっていた.そこでX線を撮ると,頚椎の弯曲異常を認めることが多くあった.
頚椎が変形すると,首筋の痛み,肩こり,手のしびれ,頭痛などの症状が起こってくる.これらの症状が就眠により軽減すればよいのだが,逆に起床時には悪化していることもあり,様々なケースを診ているうちに「枕が合わないのではないか」という観点に至った.身につける物に対し繊細な感覚を持つ女性にとって,1日の大半を占める就寝時間を共にする枕は大切なものではないかと気づき,首に負担のかからない枕を作ることはできないだろうかと,頚椎の弯曲異常のあるX線像を何例も参考にしながら,枕の開発に取り組むことにした.
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