視座
医療現場におけるダイバシティ・マネジメント
佐浦 隆一
1
1大阪医科大学総合医学講座リハビリテーション医学教室
pp.635-636
発行日 2009年7月25日
Published Date 2009/7/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408101537
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リハビリテーション(以下,リハ)ではチームアプローチが重要であり,医師,看護師,リハ専門職など多様なメンバーが協働,連携しながら目標を達成することが求められる.
さて,多様という言葉について,最近,「ダイバシティ・マネジメント」という人事用語を目にすることが多くなった.このダイバシティとは多様性の受容を意味するdiversity and inclusionを省略した言葉であり,ダイバシティ・マネジメントとはインターネットがもたらしたグローバリズム(地球主義)が後押しする女性や外国人の活用,すなわち性別や人種にかかわりなく,各自の能力を最大限に発揮できる環境,組織を整えることが,個人だけでなく組織にとっても大きな利益になると考える経営戦略である.これは,男性が多い職場に単に女性を採用したという数合わせではなく,異質で多様なものが集まるからこそ生じる軋轢や衝突をマネジメントし,そのエネルギーを利用して組織を前進させることであり,そのためには「他者の存在の受容」と「自己の客観的観察および感情の統制」が必要であるとされる(早稲田大学教授 谷口真美氏).
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