視座
ブレイブハート
島田 洋一
1
1秋田大学医学部神経運動器学講座整形外科学分野
pp.401-402
発行日 2008年5月25日
Published Date 2008/5/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408101274
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私はブレイブハートという言葉を好んで使う.これは主に自分に対してであって,他人にではない.ここでいうブレイブハートとは,猪突猛進ではなく,冷静で計算され尽くした勇気を意味する.
札幌の学生時代,ブルース・リー世代である私は,医学生であることを忘れ,ほとんどの時間を空手道の修行に費やした.ついには,全日本学生選手権北海道代表,北海道空手道選手権優勝,さらに,国民体育大会で公開競技から正式競技になった滋賀国体の成年男子軽量級北海道代表まで登りつめることができた.この時代の空手道競技は,国際大会,国体を除くとほとんどが体重に関係がない無差別級の試合で,防具もなかった.私は小柄であったが,大きな相手に立ち向かうことが大好きで,その時の武者震いをブレイブハートと勘違いしていた.医師になってからいかに思い違いをしていたのかを痛切に思い知らされることになる.
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