Japanese
English
誌上シンポジウム 整形外科疾患における痛みの研究
運動器の痛みと脳の反応
Musculoskeletal Pain Related Cortical Activations
牛田 享宏
1,2
,
池本 竜則
1
,
篠崎 淳
3
,
田中 茂樹
4
,
谷口 慎一郎
1
Takahiro Ushida
1,2
,
Tatsunori Ikemoto
1
,
Jun Shinozaki
3
,
Shigeki Tanaka
4
,
Shinichiro Taniguchi
1
1高知大学医学部整形外科学教室
2愛知医科大学学際的痛みセンター
3京都大学大学院医学研究科附属高次脳機能総合研究センター
4仁愛大学人間学部心理学
1Department of Orthopaedic Surgery, Kochi Medical School
2Multidisciplinary Pain Center, Aichi Medical University
3Human Brain Research Center, Kyoto University Graduate School of Medicine
4Department of Psychology, Jin-Ai University
キーワード:
neuropathic pain
,
神経因性疼痛
,
脳機能イメージング
,
functional brain imaging
,
fMRI
Keyword:
neuropathic pain
,
神経因性疼痛
,
脳機能イメージング
,
functional brain imaging
,
fMRI
pp.511-517
発行日 2007年6月25日
Published Date 2007/6/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408101057
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近年進歩してきた脳イメージング法は脳内部に引き起こされた神経活動を画像として捉えるもので,脳における痛覚系の分析ツールとして研究が進められている.痛みが引き起こされる部位と脳活動の関係をみてみると,皮膚と筋肉では異なる脳部位に神経活動が引き起こされることが健常者の研究において明らかとなった.一方,アロディニア(異痛症)を有する慢性神経因性疼痛患者においては同種の刺激を有痛部位に加えた場合,健常者に痛み刺激を加えた場合と類似した脳活動が認められたが,患者においては視床などに脳活動が検出できにくい部分が認められた.また,このようなアロディニア患者において痛みを想起するビデオを視認させると,不快感と同時に前頭前野や前帯状回などの特有な部位に脳活動脳活動を認めており,慢性疼痛に伴う中枢神経系の可塑的変化が反映されているものではないかと考えられた.
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