連載 医療の国際化 開発国からの情報発信
海外医療ボランティア活動記(2)
藤塚 光慶
1
,
藤塚 万里子
2
Mitsuyoshi Fujitsuka
1
,
Mariko Fujitsuka
2
1松戸市立病院
2松戸市健康福祉本部嘱託医
pp.198-201
発行日 2003年2月1日
Published Date 2003/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408100642
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マスコミは白を黒という,存在も不在となる
1991年当時は,ボランティアという言葉も概念も日本ではまだ一般には浸透していなかった.「ボランティアってどんなことを,どうやってやるの?」とよく聞かれた.「気軽に自分で出来ることを,必要とされる所でやること」と答えた.何でも良いからボランティアをやってみたいという人も多い.そういう人には「あなたは何が出来るか.他人の指示や助けなしで,出来れば専門的なことをやること」と話した.マスコミもボランティア活動を奨励しているようであったが,実は──.
フィリピン,ピナツボ火山噴火の避難民キャンプで働いていたときのことだ.ある日,テレビ朝日の取材が来た.その日,私はテントシティの診療所で仕事をしていた.テレビチームは近くのバランガイ(部落)の診療所にいたベルギー人の医師イザベルにインタビューし,こちらでは,私が脱水の児に点滴をしているところを録画していった.
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