連載 医者も知りたい【医者のはなし】 8
蘭医学事始・吉雄耕牛について
木村 專太郎
1
Sentaro Kimura
1
1木村専太郎クリニック
pp.184-187
発行日 2004年2月1日
Published Date 2004/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408100373
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吉雄耕牛は長崎出島に出入りしたオランダ語の通詞(通訳)であり,一般にその名前はあまり知られていない.しかし,前野良沢と杉田玄白の解体新書のことは,一般によく知られている.この有名な解体新書の巻頭言を書いた人物が吉雄耕牛であると知ると,吉雄耕牛をぐっと身近に感じるから不思議である.解体新書は,この吉雄耕牛の存在なしには誕生しえなかったと書いても過言ではない.
解体新書を著して蘭医学をポピュラーにした杉田玄白は「蘭学事始」を書いたので,その解体新書誕生の恩人の吉雄耕牛を書くにあたって,ちょっとひねって,題名を「蘭医学事始」としてみた.
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