特別シンポジウム どうする日本の医療
緒言
杉岡 洋一
pp.972-973
発行日 2005年9月1日
Published Date 2005/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408100169
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日本医学会は,わが国の基礎医学・臨床医学に関する100に近い分科会を擁しております.4年に1度,各分科会を統合して,医学の進歩の現状確認と検証をし,将来の展望・方向づけを行う場を総会と称します.そこでは,各分科会の横の連携を密にすることを1つの目標としています.2年前の4月,福岡で,第26回日本医学会総会を開催いたしました.その総会は3万3154名という,日本医学会100年史上,最多の参加登録者を得て行われました.
その総会では,日本の医療を取り巻く問題を大きなテーマの1つにも取り上げました.日本の医療は,WHO(世界保健機関)の評価によれば世界一です.その一方で,日本の医療費が31兆円を超え,その高騰が問題視されています.その医療費のうち介護と薬局調剤医療費,歯科診療費などを除く約26兆円が一般診療医療費,その40%の約10兆円が薬品や手術材料に使われます.これは企業の収入ですので,残りの16兆円が,主に医療の現場にもたらされ,そのほとんどが人件費に使われているというのが現状です.
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