臨床外科交見室
兵庫県南部地震の救護活動に参加して
中島 晃
1
1姫路赤十字病院
pp.685
発行日 1995年5月20日
Published Date 1995/5/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407905230
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1995年1月17日未明の兵庫県南部地震発生から約9時間後に被災地へ入った.道路の陥没・亀裂,倒壊した家屋,倒れかかったビルなど,その状況は想像を絶するほどであり,まさに廃墟状態であった.今回,兵庫県南部地震の救護活動に参加して感じた,災害時の救護活動における問題点を以下に挙げてみたい.
災害の種類,場所,時間によって違いはあるだろうが,大都市直下型地震における災害では,まず緊急車両の移動の問題が挙げられる.これには,道路の破損状況も影響するが,主に停滞している一般車両が問題となる.姫路から神戸までは車で1時間余りで到着するのが普通だが,高速道路が不通のため,迂回路へ車が集中し,サイレンを鳴らして走っても3時間半ほどの時間を要した.現地でも同様で,患者搬送に相当の時間を費やした.
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