特集 大規模災害対策における保健婦の役割
[救援に入った保健婦の声]
兵庫県保健所での支援活動
鳥海 房枝
1
1東京都北区衛生部
pp.714-715
発行日 1995年9月10日
Published Date 1995/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662901209
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1月17日の震災とその後の様子は,マスコミによってまさにリアルタイムで全国に報じられた。5500人余の死者を出したこの大震災も,その後の某宗教法人の事件によって,現在では影が薄くなってしまった感すらある。しかし,震災から4か月を経た5月17日でも,学校を主にする避難所生活者は,いまだに約4万人にのぼると報告されている。日を追って避難所生活者数が減少していることがわかっても,この1人ひとりが抱えている問題の深刻さと,新たに日常生活を取り戻していくために費やすこれからの膨大な歳月を改めて想う。
東京都が神戸市へ保健婦の派遣を開始したのは,支援要請から2日後の1月27日である。私は第4班(2月14〜20日)として保健所管内の主に避難所生活を送っている方々の健康相談業務に従事した。震災から1か月後の神戸の,しかも1週間という短期間の滞在のなかで,見たこと・感じたことを述べたい。
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