目で見る外科標準術式・34
胆道・十二指腸温存膵頭切除術
平野 聡
1
,
近藤 哲
1
,
田中 栄一
1
,
安保 義恭
1
,
加藤 紘之
1
Satoshi HIRANO
1
1北海道大学大学院医学研究科癌制御医学講座腫瘍外科学分野
pp.1414-1422
発行日 2002年10月20日
Published Date 2002/10/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407905002
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はじめに
膵頭切除術はBegerらにより腫瘤形成性慢性膵炎に対する術式として初めて報告されたものである1).本術式は幽門輪温存膵頭十二指腸切除術(PPPD)とのrandomized studyが行われ,術後長期の栄養状態や膵機能維持の点で優れていることが報告され,機能温存術式として膵頭部領域の良性病変の切除術式としても次第に応用されるようになった2,3).筆者らも主に慢性膵炎症例に対して行ってきた胆道・十二指腸温存膵頭切除術を,膵頭部の分枝型粘液産生膵腫瘍などの低悪性度病変に対して適応し,良好な結果を得ている4).
本稿では,胆道・十二指腸温存膵頭切除術の手術手技の実際について述べる.
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