Japanese
English
特集 ヘルニア—最新の治療
欧米における鼠径部の筋膜層構造の知見
Fascial structure of the groin, reported in the foreign literature
柵瀬 信太郎
1
Shintaro SAKURAI
1
1聖路加国際病院外科
キーワード:
腹膜前筋膜
,
筋膜層構造
,
Cooper's posterior lamina of the transversalis fascia
,
spermic sheath
Keyword:
腹膜前筋膜
,
筋膜層構造
,
Cooper's posterior lamina of the transversalis fascia
,
spermic sheath
pp.1033-1042
発行日 2002年8月20日
Published Date 2002/8/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407904937
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はじめに
筆者も佐藤達夫先生の理論を応用した金谷誠一郎先生の見解に大賛成である.ただし,名称については筆者はanterior approachにより鼠径ヘルニア手術を行うことが多いので,以前から腹膜下筋膜を“腹膜前筋膜”と呼び,腎筋膜前葉に連続する筋膜を“腹膜前筋膜深葉”,腎筋膜後葉に連続する筋膜を“腹膜前筋膜浅葉”と呼んでいるので,ここでは筆者の名称を使用させていただく(表1)1).
古くから欧米からも横筋筋膜と腹膜の間の筋膜構造に関して多くの異なった見解が報告され,またそれぞれ報告者が異なった名称の筋膜を指摘しているので紹介する.しかし,それらの筋膜はすべて性状が異なった筋膜であるのか,それとも同一と考えられるものもあるのか,いまだ不明な点は多い.また,それぞれの筋膜は佐藤先生の理論(筆者の2層の腹膜前筋膜)ではどの筋膜にあたるのかも不明であるので,これらの点を考察してみたい.
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