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特集 肝切除術のコツ
手術
下大静脈靭帯の同定と処理の仕方
How to identify and dissect the inferior vena cava ligament
山本 順司
1
,
阪本 良弘
1
,
関 誠
1
,
上野 雅資
1
,
大山 繁和
1
,
太田 惠一朗
1
,
畦倉 薫
1
,
太田 博俊
1
,
松原 敏樹
1
,
山口 俊晴
1
,
武藤 徹一郎
1
Junji YAMAMOTO
1
1癌研究会病院消化器外科
キーワード:
尾状葉
,
下大静脈靭帯
Keyword:
尾状葉
,
下大静脈靭帯
pp.613-616
発行日 2002年5月20日
Published Date 2002/5/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407904852
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下大静脈靭帯とは
下大静脈靭帯はIVC(inferior vena cava)の肝静脈流入部よりやや足側でIVC背側にあり,肝臓の左右を結合している索状組織のことを指し,AnsonとMaddock1)やSobottaの解剖学書には,取り出した肝臓の背側からの俯瞰図にその描写がある(図1).肝の横断図では,右側尾状葉と左側尾状葉の頭側部分をIVCの背面で結合するように張っている線維組織である(図2a).
その位置関係のためにIVCから肝臓背面を剥離する際,RHV(right hepatic vein)背側を露出するために必ず切離する組織であり,認識していないとRHVを同定する際に困難を感じることになるという理由で臨床的に重要であり,Kune2)は「RHVはIVC流入部近くで0.5〜1.8cm程度肝の外を走行するが,多くの症例ではその部位に線維性の層状組織があり,流入部位がわかりにくくなっている.その線維性の組織は肝被膜より発しRHVの右側にある」と記載している.幕内ら3)は右葉切除や後区域切除の際にRHVを肝外から処理する際にこの靭帯を同定切離することの重要性を指摘している.
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