Japanese
English
特集 IVRの現状と問題点
肝細胞癌に対するTAE
Transcatheter arterial embolization for hepatocellular carcinoma: current status and problems
吉川 淳
1
,
松井 修
2
Jun YOSHIKAWA
1
1福井県立病院放射線科
2金沢大学医学部放射線科
キーワード:
TEA
,
肝細胞癌
,
腺腫様過形成
,
胆管壊死
,
IVR(interventional radiology)
Keyword:
TEA
,
肝細胞癌
,
腺腫様過形成
,
胆管壊死
,
IVR(interventional radiology)
pp.1595-1600
発行日 2001年12月20日
Published Date 2001/12/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407904719
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肝細胞癌に対するTAE(transcatheter arterial embolization)療法は技術的にはほぼ完成しており,ほとんどの症例で目的とする肝内分枝の塞栓が可能である.超選択的なカテーテル挿入技術による亜区域塞栓術(subsegmental TAE)と呼ばれる肝実質を強力に塞栓する方法も開発され,良好な治療成績が報告されているが,その局所効果は近年の凝固療法に比較すると十分ではない.TAEの治療効果は血流支配によって決定されるため,目的結節の正確な血行支配の検討が重要であり,この検討によって画像による臨床的悪性度診断も可能である.現在では単発あるいは多発でも比較的肝内に限局している例では手術や局所凝固療法が選択されることが多く,TAEは多発例や進行例で施行される施設が多いが,血流遮断や超音波ガイドの補助など他の局所療法と併用することも有用である.超選択的なカテーテルの挿入には精度の高い透視装置が必要であり,IVR-CT(angio-CT)の普及が望まれる.合併症では重篤なものは少ないが,胆管壊死,胆嚢梗塞がある.
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