発行日 2003年9月1日
Published Date 2003/9/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2004039747
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
30歳男.発熱,全身倦怠感を主訴とした.検査成績にて著明なWBC増多,CRP高値,軽度の肝機能障害を認めた.腹部超音波にて肝S2~4にかけて境界不明瞭な低エコー像を認めた.入院時単純CTでは辺縁がやや不整な単房性の腫瘤を認めたが,第11病日のヘリカルCTでは肝右葉から左葉にかけてクローバー様の低吸収領域として認められ,造影後期では腫瘍周囲にリング状の造影効果を認めた.化膿性肝膿瘍と診断し,抗生物質投与と経皮経肝膿瘍ドレナージを施行したが症状は改善せず,著明な肝機能の悪化を認めた.その後,HIVは陰性であったが血清の抗アメーバ抗体が100倍との報告があり,抗生物質を中止しtinidazol経口投与を開始した.その結果,解熱し,炎症所見および肝機能異常は正常に回復した.退院時CTでは腫瘍の著明な縮小を確認した
![](/cover/first?img=J00393.2004039747.png)
©Nankodo Co., Ltd., 2003