カラーグラフ 食道癌の内視鏡下手術・3
HALS併用による鏡視下食道切除・再建術
井上 晴洋
1
,
中島 康晃
1
,
熊谷 洋一
1
,
奈良 智之
1
,
永井 鑑
1
,
河野 辰幸
1
,
岩井 武尚
1
Haruhiro INOUE
1
1東京医科歯科大学第1外科
pp.141-146
発行日 2001年2月20日
Published Date 2001/2/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407904365
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はじめに
低侵襲手術の立場に立った腹腔鏡下胆嚢摘出術の成功は,近年の外科領域における最も画期的な出来事の1つであった.この成功が鏡視下手術を種々の外科手術に適応拡大する原動力となった.筆者らは当初より鏡視下手術を,消化器外科領域で最も侵襲の大きい手術の1つである食道癌根治術に適用することを目標に検討を行ってきた.
その第1段階として,胸腔鏡下食道切除術の術式を開発し,本邦では川原ら1)に続いて報告した2).その後,第2段階として,腹腔鏡下胃管作製術(開胸食道切除)の検討に入り,HALS(hand-assistedlaparoscopic surgery)の導入によって術式も安定した3,4)ことから,第3段階として,1997年5月2日に本邦ではじめて,「胸腔鏡下食道切除術」と「腹腔鏡補助胃管再建術(HALS併用)」を同時に同一症例に施行した5).その後,現在までに17例に施行し(1例は術後16日目入院中),16例は退院後も再発なく元気に生活している.
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