Coffee Break
残胃胃炎
pp.388
発行日 1982年4月25日
Published Date 1982/4/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403108841
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消化性潰瘍で胃部分切除術を施行された残胃の胃炎については多くの報告があるけれども,なかなか対象の質的バラツキが甚しいので細かい内容については説得力が乏しいきらいがあった.特にコントロールの選び方が難しい感がある.しかし,なるべくうまく合わせようとして,年齢,性などについてきちんとしたマッチテストをしてみると,意外に早い時期に,意外に高頻度に術後胃炎が出てきていることがわかる.
たとえば,表のように消化性潰瘍手術後の残胃粘膜と,それにマッチさせた十二指腸潰瘍患者の胃体部腺領域の粘膜像の差がかなりなものであると,Saukkonenらが報告している.しかも,特に吻合部近辺では,術後の年月が長いほど腸上皮化性や異型が増えてくるようである.これらの背景因子としては血中ガストリン値が取沙汰されているが,腸液の逆流も考えに入れておく必要がある.
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