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特集 抗菌薬ベストチョイス—その理論と実際
術後感染治療薬の選択理論と実際
下部消化管手術
Theory and practice for selection of antibiotic therapy in postoperative infection:distal intestinal tract surgery
加藤 高明
1
,
岩井 重富
1
Komei KATO
1
1日本大学医学部第3外科
キーワード:
術後感染治療薬
,
下部消化管手術
,
オキサセフェム系薬
,
カルバペネム系薬
Keyword:
術後感染治療薬
,
下部消化管手術
,
オキサセフェム系薬
,
カルバペネム系薬
pp.853-858
発行日 2000年7月20日
Published Date 2000/7/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407904152
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下部消化管手術の術後術野感染の主な起炎菌は大腸常在細菌のうち,感染発症阻止薬で抑制されなかった菌である.したがって,Bacteroides spp.が初期治療として重要な対象菌種となる.ただし,術後縫合不全を合併する場合には大腸菌群も治療対象となる.閉鎖腔がない場合には短期投与計画を立て,オキサセフェム系のFMOXを第一選択する.閉鎖腔を有する場合には菌交代症を想定した長期投与計画を設定し,FMOX,CZOP,カルバペネム系薬などを順次選択する.縫合不全に起因した術野感染では敗血症,エンドトキシン血症に対する重症感染症治療,周囲組織への感染の広がりの抑止を目的にカルバペネム系薬を第一選択とする.
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