特集 輸液:その組成・アクセス・管理
病態に応じた輸液—(3)低ナトリウム血症の場合
宮川 秀一
1
,
堀口 明彦
1
,
三浦 馥
1
Shūichi MIYAKAWA
1
1藤田保健衛生大学医学部消化器外科第2科
キーワード:
低ナトリウム血症
,
細胞外液
,
中心性橋脱髄症
Keyword:
低ナトリウム血症
,
細胞外液
,
中心性橋脱髄症
pp.578-580
発行日 2000年5月20日
Published Date 2000/5/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407904099
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はじめに
低Na血症は日常臨床上,最もよく遭遇する体液・電解質異常である.血清Na濃度が135mEq/l以下が低Na血症と定義されるが,体内Na量が減少していることもあれば,水分の過剰による希釈性低Na血症のこともある.また,浮腫性疾患のように体内Na量,水分量ともに増加している場合もある,したがって,低Na血症を治療するうえで重要なことは,病歴および理学的所見からその病態を十分に検討し,適切な輸液管理を行うことである.低Na血症は臨床的な立場から有効循環血漿量の減少を伴うかどうかにより,細胞外液減少型,細胞外液軽度増加型,細胞外液増加型の3つに分類される.本稿では低Na血症の病態ごとの対策と具体的な輸液補正法について述べる.
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