手術手技
胃切除後もしくは同時胃切除症例における食道亜全摘後遊離空腸二期再建
奥村 康弘
1
,
八木 浩一
1
,
愛甲 丞
1
,
山下 裕玄
1
,
飯田 拓也
2
,
瀬戸 泰之
1
1東京大学医学系研究科消化管外科学
2東京大学医学部附属病院形成外科
キーワード:
遊離空腸二期再建
,
食道亜全摘
Keyword:
遊離空腸二期再建
,
食道亜全摘
pp.937-942
発行日 2020年5月15日
Published Date 2020/5/15
DOI https://doi.org/10.18888/op.0000001723
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食道亜全摘後の再建臓器として胃管挙上再建が第一選択とされることが多い。しかし,胃切除の既往がある症例や同時性胃癌の症例では胃管再建が行えず,その場合には結腸再建,回結腸再建,空腸再建が行われる。どの臓器による再建が良いかについては議論が分かれ,さらに,遊離か有茎か,有茎ならば血管吻合(supercharge,superdrainage)を付加するかどうか,再建経路(胸壁前,胸骨後,後縦郭)をどうするかによって再建術式の内容は変わってくる。結腸再建や回結腸再建では頸部食道まで挙上できる十分な長さが得られることが多い反面,再建結腸に癌ができる可能性,結腸切除の既往がある場合に再建できない,術後合併症が多いなどの報告がある1-3)。空腸による再建は,空腸の良好な蠕動により術後の経口摂取が良好であるとの報告があるが3),頸部までの挙上は腸間膜による制限を受け,困難であることも多い。空腸挙上再建に血管吻合を追加(supercharge,superdrainage)した報告もみられるが,術後の挙上空腸壊死は4%,術後のmortalityは5%とされている4)。
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