Japanese
English
特集 胃・十二指腸の非腫瘍性疾患—外科医のための診療指針
4.Helicobacter pyloriと胃病変
Helicobacter pylori infection and gastric diseases with no malignancy
栗原 直人
1
,
久保田 哲朗
1
,
古川 俊治
1
,
大谷 吉秀
1
,
熊井 浩一郎
1
,
北島 政樹
1
Naoto KURIHARA
1
1慶應義塾大学医学部外科
キーワード:
H.pylori
,
胃炎
,
胃潰瘍
Keyword:
H.pylori
,
胃炎
,
胃潰瘍
pp.1415-1419
発行日 1999年11月20日
Published Date 1999/11/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407903950
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
Helicobacter pylori (以下,H.pylori)は胃内持続感染が認められるグラム陰性ら旋状桿菌であり,本菌の持続感染は胃粘膜の組織学的炎症に帰結する.H.pyloriの特徴,胃内における本菌の病原性,粘膜障害の機序について概説した.本菌との関連が指摘されている胃良性疾患には,胃炎,non-ulcer dyspepsia(NUD),胃潰瘍が含まれる.いずれの疾患においてもH.pyloriの感染が高率に認められ,除菌治療により症状の改善,再発予防が報告されている.一方,潰瘍発症におけるH.pyloriの作用機序についてはいまだに不明な点も多い.これらの疾患については,除菌治療の保険適用が申請されており,H.pyloriの胃病変に及ぼす病態の解明と理解は今後の胃疾患診療に重要である.
Copyright © 1999, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.