特集 薬物療法マニュアル
Ⅳ.術後愁訴と合併症の薬物療法
6.呼吸器系
胸水
武野 良仁
1
,
長 晃平
1
,
服部 佳広
1
,
栗原 正利
1
Yoshihito TAKENO
1
1日産厚生会玉川病院気胸センター
pp.284-285
発行日 1999年10月30日
Published Date 1999/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407903856
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はじめに
胸腔には生理的にも数mlの漿液があり,両胸膜の間で生成,吸収が行われている.しかしこの正常の液量ではX線やCTでそれを証明することはできない.胸水の出納は静力学的,膠質浸透圧,胸腔内圧によって規定される.臨床的に胸水として認められるのはそのバランスが崩れたとき,すなわち生成の増加または吸収の減少するときである.
本稿は術後の薬物療法が主題なので,胸水を「胸部の手術後の胸水」と「癌の場合」に分けて解説する.
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