Japanese
English
特集 消化管EMRの現状と問題点
3.食道病変のEMR
消化器外科医から見た適応とピットフォール
Recent development in endoscopic mucosal resection (EMR) for esophageal cancer
吉田 操
1
,
葉梨 智子
2
,
神代 裕至
2
,
山口 達郎
2
,
竹中 芳治
2
,
吉田 幸弘
2
,
門馬 久美子
2
,
加藤 久人
3
,
山田 義也
3
,
小沢 広
3
,
荒川 丈夫
3
,
榊 信廣
3
,
小池 盛雄
4
Misao YOSHIDA
1
1東京都立駒込病院外科
2東京都立駒込病院内科
3東京都立駒込病院内視鏡科
4東京都立駒込病院病理科
キーワード:
endoscopic mucosal resection(EMR)
,
early esophageal cancer
,
indication of treatment
Keyword:
endoscopic mucosal resection(EMR)
,
early esophageal cancer
,
indication of treatment
pp.1277-1280
発行日 1999年10月20日
Published Date 1999/10/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407903738
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
食道粘膜癌に対する治療としては,既に内視鏡的粘膜切除術が開発されている.低侵襲,根治性,食道機能の温存,治療成績が手術と同等であることなどが判明した結果,粘膜癌治療においては第一選択の治療法となった.この長所を活かして適応の拡大が図られているが,その現況を手術適応との関係から検討した.m3,m1癌には10%程度のリンパ節転移が存在するが,EMR症例と手術症例の治療成績には差が無かった.この領域にはEMRの適応できる可能性が高いと考えられる.EMR後に3/4周以上の粘膜欠損を生じる症例では食道狭窄が高率である.従来は手術の適応であったが,ブジー拡張法が有効で,解決できる.食道粘膜に多数のヨード不染帯を有する症例では,異時性の多発食道癌を高率に生じ,不染帯一個症例の10倍の頻度となる.EMR後の経過追跡が継続的に出来ない症例の場合は,手術を含めてEMR以外の治療を考える必要がある.
Copyright © 1999, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.