Japanese
English
特集 消化器の“前癌病変”と“ハイリスク病変”
ヨード不染帯
Unstained area of the esophagus in endoscopic iodine staining
吉田 操
1
,
葉梨 智子
1
,
門馬 久美子
2
,
加藤 久人
2
,
北岡 吉民
2
,
荒川 丈夫
3
,
榊信 廣
3
,
中村 二郎
4
,
小池 盛雄
4
Misao YOSHIDA
1
1東京都立駒込病院外科
2東京都立駒込病院内科
3東京都立駒込病院内視鏡科
4東京都立駒込病院病理科
キーワード:
食道上皮内癌
,
食道異形成
,
早期食道癌
Keyword:
食道上皮内癌
,
食道異形成
,
早期食道癌
pp.150-154
発行日 1997年2月20日
Published Date 1997/2/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407902634
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食道粘膜にヨード染色を行うことで,扁平上皮の病的変化を不染帯として幅広く捉えることができる.食道上皮内癌・粘膜癌所見の特徴はすでに整理されており,染色所見のみを手がかりに鑑別しなければならないものとしては,平坦型上皮内癌(0—IIb)とその他の上皮の異常である.染色の程度と境界の性状ならびに大きさを考慮すると,1)淡染・境界不明瞭な不染帯は食道炎によるものが多く,2)境界明瞭な淡染・不染帯で5mm以上の大きさがあれば,異型性を有する上皮や基底層型上皮内癌の頻度が高い.3)黄白色・境界明瞭な不染帯は,高度の異型性を有する上皮あるいは上皮内癌である.中でも10mm以上の大きさがあれば,全層型上皮内癌あるいは粘膜癌である.高度の異型性を示す場合には上皮内癌と同一に考えるとする意見が多い.上皮内癌や高度の異型性を予測される所見を呈するヨード不染帯に対しては,治療を兼ねて内視鏡的粘膜切除法が適応となる.
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