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手術手技
膵頭部局所切除兼膵管空腸側々吻合術(Frey手術)におけるハーモニック・スカルペル®の有用性
Utilization of the Harmonic Scalpel for Frey's operation
田中 恒夫
1
,
善家 由香里
1
,
時田 大輔
1
,
山崎 浩之
1
,
大石 幸一
1
,
平田 雄三
1
,
香川 直樹
1
,
前田 貴司
1
,
岡本 有三
1
,
藤高 嗣生
1
,
福田 康彦
1
Tsuneo TANAKA
1
1県立広島病院一般外科
キーワード:
慢性膵炎
,
Frey手術
,
ハーモニック・スカルペル®
Keyword:
慢性膵炎
,
Frey手術
,
ハーモニック・スカルペル®
pp.1081-1084
発行日 1999年8月20日
Published Date 1999/8/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407903703
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はじめに
膵切除においては膵の切離断端からの出血に悩まされることが多く,有用な止血器具が望まれていた.ハーモニック・スカルペル®1〜3)(ジョンソン・エンド・ジョンソン メディカル社:以下,ハーモニック)は超音波振動のエネルギーを利用しており,従来の電気メスやレーザーメスとは違ったメカニズムによる止血器具である.ハーモニックは腹腔下手術のみならず,さまざまな手術に使用され,高い評価を受けている.筆者らは膵手術においてはハーモニックの有用性は高いことを報告してきた4,5).
慢性膵炎に対する手術術式のうち膵管拡張を伴う症例に対しては,これまでPartingtonら6)の膵管空腸側々吻合術が広く行われてきた.しかし,膵頭部の膵液のドレナージが不良になりやすい欠点があった.そこで,Frey7〜9)はこの欠点を補う目的で膵頭部の部分切除(coring-out)を追加する術式(Frey手術)を提唱した.Frey手術においては膵切離面が広くなり,当然のことながらそれだけ出血しやすくなる.筆者らはFrey手術にハーモニックを使用し,出血量の軽減と安全性の向上をはかったので報告する.
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