特集 縫合・吻合法のバイブル
Ⅲ.部位(術式)別の縫合・吻合法
9.膵・脾
膵管—空腸側々吻合(Freyの手術)
江川 新一
1
,
澁谷 和彦
1
,
砂村 眞琴
1
,
武田 和憲
1
,
小針 雅男
1
,
松野 正紀
1
Shin-ichi EGAWA
1
1東北大学医学部第1外科
pp.340-343
発行日 1998年10月30日
Published Date 1998/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407903413
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はじめに
膵管—空腸側々吻合術は5mm以上の主膵管の拡張と多発性の狭窄(chain-of-lakes)を伴う慢性膵炎に対して行われ,膵内外分泌機能を温存しながら主膵管内の切石と減圧を行うことを目的としている.従来Puestow1),Partington2)の膵管—空腸側々吻合術が広く行われてきたが,膵頭部に腫瘤形成がある場合や,膵鉤状突起に膵石が多数存在する症例では病態の改善を期待するのは難しいため,教室では慢性膵炎に対して膵頭部の芯抜き(coring out)を行うFreyの手術3)を行っている,本稿においてはFreyの手術を中心に膵管—空腸側々吻合の要領を述べる.
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