特集 縫合・吻合法のバイブル
Ⅱ.組織別の縫合・吻合法
顔面,露出部における皮膚縫合の工夫
平 広之
1
,
谷野 隆三郎
1
Hiroyuki TAIRA
1
1東海大学医学部形成外科
pp.41-44
発行日 1998年10月30日
Published Date 1998/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407903328
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顔面や露出部の皮膚縫合においては当然のことながら,最終的な瘢痕をいかに目立たなく仕上げるかが肝要である.瘢痕が目立つ条件としては瘢痕の幅が広い,赤くて盛り上がっている(肥厚性瘢痕ないしはケロイド),瘢痕の方向が悪い,瘢痕の両側に段がある,といったようなことがある.縫合に際しての基本としては組織を愛護的に取り扱うこと,そして縫合に際して創面に緊張をかけず,創の表面をできる限りていねいに合わせることが大切である.もし切開線を選択できる場合はできるだけ皺に沿った方向,すなわち最も創縁にかかる緊張の少ない方向にこれを置くのがよい.また糸痕を残さないような縫合,抜糸も大切である.
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