Japanese
English
特集 皮膚切開法と到達法・Ⅱ
末梢血管の露出法
Approach to the peripheral arteries
神谷 喜作
1
Kisaku KAMIYA
1
1名古屋臨港病院外科
pp.945-951
発行日 1972年7月20日
Published Date 1972/7/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407205642
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はじめに
末梢血管といわれる範囲は,どこをさすのか一定していない.広く解釈すると心臓および頭蓋内血管をのぞく全血管を含むが,狭く考えれば四肢の血管ということになる.つまり,上肢の場合には胸腔外の鎖骨下動静脈以下を意味し,下肢の場合は腹膜外に到達しうる総腸骨動脈以下を考えたらよいと思う.大動脈,大静脈から分枝する内臓への血管—腹腔動脈,上腸間膜動脈,下腸間膜動脈,腎動静脈,および門脈系も,通常,末梢血管として,血管外科の対象とされているが,本論文の目的とする皮切,到達法という観点からみると,すべて正中開腹によりそれぞれの血管に到達するわけであるから,一応省略することにする.
従つて,本論文においては,四肢血管と頸動脈の露出法について述べることにする.そして,まずそれぞれの動脈について記載し,静脈は特に必要な場合にのみ,ふれることにする.
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