特集 外来診療・小外科マニュアル
Ⅳ.胸部
49.帯状疱疹
松尾 聿朗
1
Itsuro MATSUO
1
1帝京大学医学部附属市原病院皮膚科
pp.134-135
発行日 1997年10月30日
Published Date 1997/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407902926
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疾患の概念
帯状疱疹は水痘・帯状疱疹ウイルス(varicella—zoster virus:VzV)の感染症である.不顕性感染を含めて水痘に罹患の既往のある者が神経節に潜んでいたVzVが何らかの機序により活性化されて発症する,帯状疱疹患者から感染して帯状疱疹を発症することはないが,水痘の既往のない者には水痘を発症させる.皮疹は浮腫性の紅斑で初発し,同部に中心臍窩を有する小水疱が多発する.疱疹(ヘルペス)とは小水疱の集簇した状態を指す用語である.本症は皮疹が1つの神経支配領域に限局して,顔,体幹の片側にのみ帯状に生ずることからこの名がある.典型的な皮疹の分布を呈する帯状疱疹に加えて,全身に紅暈を伴った小水疱が散在するとき汎発性帯状疱疹という.一般に重篤で,水痘とは典型的な帯状疱疹がどこかにみられることから鑑別できる.帯状疱疹が両側性にみられることもごく稀にある.
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