特集 外来診療・小外科マニュアル
Ⅱ.頭部・顔面・口腔・咽頭
32.外耳瘻および耳介周囲の嚢胞性疾患
土佐 泰祥
1
,
保阪 善昭
1
Yasuyoshi TOSA
1
1昭和大学医学部形成外科
pp.92-93
発行日 1997年10月30日
Published Date 1997/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407902909
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疾患の概念
耳瘻孔は耳介およびその周辺に瘻孔が認められる先天性疾患であり,発生頻度は約3%で,耳輪脚部と耳前部でその90%を占めるといわれている1)(図1).発生学的には,胎生期5〜7週に第1鰓弓の後面に3個,第2鯉弓の前面に3個の計6個の耳介結節ができる.この第1〜3結節から耳珠や耳輪脚ができ,第4〜5結節から耳輪,対耳輪,対耳珠ができ,第6結節から耳垂ができると考えられている.これらの結節の融合の異常で耳瘻孔が生じる2).
全く無症状で経過する場合もあるが,高度な感染を伴うと膿疱を形成し,瘻孔壁が不明瞭になることがある(図2).
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