カラーグラフ 胎児・胎盤の生理と病理・17
嚢胞性腎疾患
大薗 恵一
1
,
中山 雅弘
1
1大阪府立母子保健総合医療センター病理室
pp.451-453
発行日 1993年5月10日
Published Date 1993/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409901255
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嚢胞性腎疾患も胎内超音波検査の普及により診断される機会が増加した.水様物の貯留する嚢胞はエコーで検出しやすいものであり,さらに,羊水過少を合併する場合は両側性の嚢胞腎あるいは尿道通過障害が疑われる,腎疾患に羊水過少を伴い特有な顔貌を有する場合をPotter症候群とよび,肺低形成により生後早期に死亡することが多い.Potter症候群の原因としては両側腎の無形成が有名であるが,両側異形成嚢胞腎も重要である.当センターの解剖例では,両腎無形成3例に対し両側異形成嚢胞腎12例であった,従来,両側異形成嚢胞腎は非常にまれとされていたが,周産期剖検例を対象とする場合にはまれではない.Potter症候群に伴う肺低形成や胎盤所見については,本シリーズ第4回の胎盤の生理と病理“Potter症候群と羊膜結節”を参照していただきたい.
多発性(polycystic or multicystic)嚢胞性腎疾患の分類としてはPotterの分類が有名である(表1).
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