病院めぐり
新宮市立市民病院外科
嶋 廣一
pp.1309
発行日 1997年10月20日
Published Date 1997/10/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407902865
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紀伊半島南部に位置する新宮地方は,古来より聖地とされ,平安時代,浄土信仰が人々の間に広まるにつれ,「蟻の熊野詣」と呼ばれるほど,当地方への参詣が盛んであった所です.
本宮大社,那智大社と共に熊野三山の一つとして数えられる熊野速玉大社は新宮市にあり,かつては門前町として栄えました.また,江戸時代には水野重仲3万5千石の城下町として,さらに昭和の時代までは,木材の集散地として知られた町でしたが,近年は様々な要因により以前ほどの活力は見られなくなってしまいました,しかし新宮市の輩出した文豪,佐藤春夫が「望郷五月歌」で「空青し,山青し,海青し,日はかがやかに南国の五月晴こそゆたかなれ」と歌ったごとく,手つかずの自然が今もなお広大に存在しており,昨今の太古への回帰,自然への回帰願望をかなえる「癒しの郷」としての当地を再び甦らすべく努力がなされております.
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