Japanese
English
臨床研究
肝切除症例の99mTc-GSA(アシアロシンチ)を用いた術前肝予備能の検討
99mTc-GSA liver scintigraphy in the evaluation of preoperative hepatic functional reserve
權 雅憲
1
,
河 相吉
2
,
上辻 章二
1
,
上山 泰男
1
Masanori KWON
1
1関西医科大学第1外科
2関西医科大学放射線科
キーワード:
GSAシンチ
,
肝予備能
,
肝切除
Keyword:
GSAシンチ
,
肝予備能
,
肝切除
pp.525-528
発行日 1997年4月20日
Published Date 1997/4/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407902706
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はじめに
1955年Taplinら1)が131I-rose bengalを用いて肝の摂取排泄機能評価を行って以降,最近では低被曝線量の99mTc標識の肝・胆道スキャン剤が開発され,肝実質機能診断に応用されている2,3).肝細胞膜表面に存在するアシアロ糖蛋白受容体(asialoglycoprotein receptor:以下,ASGPRと略記)4)は,血清糖蛋白の酸性糖鎖の脱シアル化によりガラクトースを露出した糖蛋白を認識して,これを特異的に結合し肝細胞内に取り込むことにより糖蛋白代謝に関与している.肝細胞に存在するASGPRの数は,肝疾患において減少することが報告されており5),ASGPRに特異的に認識される99mTc-galactosyl human serum albumin(99mTc-GSA:以下,GSAと略記)を用いてASGPR量の分布を観察することで,既存の検査とは異なる観点から肝疾患の病態や肝予備能を評価することが可能となる.今回,筆者らは肝癌症例の術前肝予備能をGSAを用いて評価し,その有用性を検討した.
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