Japanese
English
特集 ドレッシング—創傷管理の新たな展開
創傷治癒に必要となる局所環境因子—ドレッシング理論の変遷と展開
Wound healing and its biological needs
倉本 秋
1
,
味村 俊樹
1
,
山崎 一樹
1
Shu KURAMOTO
1
1東京大学医学部第3外科
キーワード:
湿潤環境
,
閉塞
,
低酸素状態
Keyword:
湿潤環境
,
閉塞
,
低酸素状態
pp.291-298
発行日 1997年3月20日
Published Date 1997/3/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407902660
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創傷治癒に影響する局所環境因子に関する認識は,1960年代以降大きく変化した.湿潤環境の重要性がWinterやHinmanらによって報告され,ついで外界の酸素張力が低いほうが,マクロファージから血管新生因子がより多く放出され,治癒が促進することが示された.そのような環境は閉塞性ドレッシングによってつくり出すことが可能である.閉塞環境をつくるドレッシングが感染の頻度を高めることはなく,細菌汚染がみられる創傷にも応用することができる.ハイドロコロイドドレッシングのもたらす酸性環境は静菌作用を有している.創腔に存在する増殖因子も合理的に利用され,創傷面の汚染防止や保温の目的も達することができる.「消毒薬」を創面に使用せず,以上の局所環境因子を整えることが大切である.
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