Japanese
English
臨床研究
大腸癌肝転移巣における被膜形成および炎症性細胞浸潤の予後への影響
Marginal capsule and host cell infiltration surrounding liver metastases from colorectal cancer in relation to prognosis
青山 博
1
,
原田 武尚
1
,
小縣 正明
1
,
今井 史郎
1
,
石川 稔晃
1
,
内田 博也
2
Hiroshi AOYAMA
1
1神戸市立中央市民病院第2外科
2神戸市立中央市民病院病理
キーワード:
大腸癌肝転移
,
被膜
,
細胞浸潤
,
Tリンパ球
,
予後因子
Keyword:
大腸癌肝転移
,
被膜
,
細胞浸潤
,
Tリンパ球
,
予後因子
pp.1610-1616
発行日 1996年12月20日
Published Date 1996/12/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407902600
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はじめに
大腸癌肝転移に対する肝切除術の意義はほぼ確立されたかにみえる.諸家の報告によると,大腸癌肝転移切除症例の5年生存率はおよそ25〜52%1,2)であるが,しかし如何なる症例が長期に生存し得るのかは明らかではない.肝切除後の予後を規定する因子として,現在までに,転移巣の大きさ3),数2,4),同時性・異時性5),DNA ploidypattern4),肝切除術式2,6),輸血1),被膜形成7)などの報告があるが未だ不明な点が多く,意見の一致をみていない.
最近,われわれは臨床的予後因子だけでなく,病理組織学的因子についても検討した結果,担癌宿主側の反応である細胞浸潤が,予後因子としての被膜形成に深くかかわっていると考えられる成績を得たので報告する.
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