特集 術前ワークアップマニュアル—入院から手術当日までの患者管理
Ⅰ.術式別:術前患者管理の実際
9.膵臓手術
膵全摘術
竹田 伸
1
,
中尾 昭公
1
1名古屋大学医学部第2外科
pp.199-203
発行日 1996年10月30日
Published Date 1996/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407902476
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膵全摘術は,術後無膵性糖尿病となり血糖管理を中心にQOLが最も問題となる.したがって,手術適応は,当教室においては膵頭部癌の尾部までの癌進展例,膵体部癌の頭側進展例や膵全体癌としている.進行性膵癌のため,初診時にすでに症状(閉塞性黄疸・疼痛・体重滅少)が出現していることが多く,これらの処置を最初に配慮すべきである.手術までの間に,US・胆道造影・ERCP・MRCP・血管造影・CT・EUS・UGIなどの検査で診断のみならず病巣の進展範囲を明らかにし,手術適応を決定する.減黄が十分になされ(T.Bil 2〜3mg/dl以下),血糖管理も十分にコントロールされた時点で手術を施行することが肝要である.
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