Japanese
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特集 術後感染症—予防と治療の実際
術後のドレーン感染症—予防と治療の実際
Drain-related infections:prevention and treatment
永井 秀雄
1
,
中坪 直樹
1
,
金澤 暁太郎
1
Hideo NAGAI
1
1自治医科大学消化器一般外科
キーワード:
閉鎖式ドレナージ
,
逆行性感染
,
院内感染
Keyword:
閉鎖式ドレナージ
,
逆行性感染
,
院内感染
pp.457-463
発行日 1996年4月20日
Published Date 1996/4/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407902262
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予防的ドレナージとしてわが国の一般外科領域で最もよく用いられている開放式ドレナージは,ドレーン感染の点から好ましいものではない.細菌検出率は経日的に増加し,腹壁感染,腹腔内膿瘍,腹膜炎の原因となり得る.術後早期の多滲出期にガーゼの表面まで濡れると,滅菌バリアは壊れ逆行性感染を引き起こす.早期抜去を目指すのでなければ,多滲出期の間だけでも閉鎖式ドレナージとする.理想的なドレーンシステムがない現状では,滲出の減少とADLの拡大に伴い,ドレーンを短切してガーゼを当てるのもやむを得ない.この場合は,院内感染予防の鉄則にしたがい,厳重なドレーン管理に努めるべきである.
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