特集 術前ワークアップマニュアル—入院から手術当日までの患者管理
Ⅰ.術式別:術前患者管理の実際
12.そのほかの手術
脾摘出術
板東 登志雄
1
,
北野 正剛
1
1大分医科大学第1外科
pp.233-236
発行日 1996年10月30日
Published Date 1996/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407902483
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脾摘出術の適応となる原疾患は(1)血液疾患,(2)脾損傷,(3)腫瘍性疾患,(4)門脈圧亢進症に伴う脾機能亢進症,(5)脾動脈瘤など多種多様である.脾摘出術それ自体による合併症はむしろ少なく,大部分がこれらの対象疾患の背景にある末梢血有形成分の減少,出血凝固異常あるいは肝機能障害に起因するものと考えられる.さらに副腎皮質ホルモンや免疫抑制剤を長期にわたって投与されている場合もあり,手術に際してはこれら背景にある病態および惹起されうる合併症を十分に把握し,厳重な術前管理を行う必要がある.
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