Japanese
English
特集 手術のための臨床局所解剖
食道手術のための臨床局所解剖
Cardinal points in surgical anatomy for radical esophagectomy
宇田川 晴司
1
,
堤 謙二
1
,
上野 正紀
1
,
木ノ下 義宏
1
,
峯 真司
1
,
江原 一尚
1
,
鶴丸 昌彦
2
Harushi UDAGAWA
1
1虎の門病院消化器外科
2順天堂大学消化器外科学(上部消化管外科学)
キーワード:
反回神経
,
気管支動脈
,
胸管
,
迷走神経肺枝
,
en bloc郭清
Keyword:
反回神経
,
気管支動脈
,
胸管
,
迷走神経肺枝
,
en bloc郭清
pp.579-586
発行日 2006年5月20日
Published Date 2006/5/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407100435
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要旨:食道癌手術において安全性と根治性を両立させるためには,en bloc郭清の範囲を的確に認識し,そのなかに含まれる重要構造に対する解剖学的理解を深めることが必要である.反回神経の走行と縦隔の膜構造・106recリンパ節との関係の理解は郭清の徹底のみならず反回神経麻痺の回避と気管血流の保持に重要であり,右気管支動脈の通常の走行と変異を知ることは気管支動脈温存の確率を上げる.胸管の走行と縦隔の膜構造との関係の理解は後縦隔郭清の徹底化に役立ち,胸管の変異に関する知識は乳び胸の防止につながる.迷走神経肺枝の認識も肺合併症の減少に寄与する.本稿では,実際の食道癌根治術の術野を念頭に置いてこれらについて解説を加えた.
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