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特集 出血させない消化器癌手術
出血させない胃癌手術(2)
Surgical procedure for gastric cancer
愛甲 孝
1
,
帆北 修一
1
,
夏越 祥次
1
Takashi AIKOH
1
1鹿児島大学医学部第1外科
キーワード:
胃癌
,
リンパ節郭清
,
出血
Keyword:
胃癌
,
リンパ節郭清
,
出血
pp.1141-1145
発行日 1995年9月20日
Published Date 1995/9/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407901963
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出血させないような胃癌の手術をするためには,手術手技の修練と胃の周辺脈管の走行や周囲臓器との位置関係,合流・分岐様式などの局所解剖を常に念頭におき,的確に操作を進めることにつきる.「人体は膜構造からなる」ことを理解し,各臓器間の層の剥離を正確に行えばまず出血することはない.胃癌に対する根治手術の原則は,重要血管のみを温存して,リンパ管や周囲のその他の組織を一括en blocに切除郭清することにある.そのためには血管を露出しつつ分枝を切離していかなければならないが,その郭清・切離操作にあたっては,膜構造を剥がすように進め,結果的に血管が露出されていくといった感じで行うことが出血させない最大のコツといえる.また,術中の偶発出血の多くは解剖学的変異に気づかずに引き起こす場合が多いので,どの部位で,どのような場合にどのような出血が起こりやすいかを理解することも重要である.
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